実験室での真空ポンプ利用の思い出

私は大学時代に電子工学を専攻し、卒業論文でガンダイオードに関する研究を行っていました。もうかなり昔の事ですが、そこで真空ポンプを使っていました。半導体ウエハーに不純物を拡散するために、ベルジャーと言う厚いガラス蓋の内部を真空に引き、その後不純物を過熱拡散する処理をしていました。
もちろん、半導体産業で使われるような大きな物ではなく、ごく小さな物でしたが、真空に引く原理は同じです。真空ポンプにはロータリーポンプと、拡散ポンプがあり、最初にロータリーポンプで引き、ある程度の真空度になった時に拡散ポンプに切り替えて更に真空度を上げていました。

真空ポンプの原理の説明は一般の人には説明が難しいですが、ロータリーポンプは羽根で空気をかきだすといった原理で、圧縮機の反対だと言えば理解し易いでしょうか。また拡散ポンプは油を過熱し、その蒸気を音速に近い速度で流し、空気を追い出すと言ったイメージです。
実験室には、何台もの真空ポンプがあり、大学生や院生が頻繁に使用する、半導体素子を研究するには無くてはならないものでした。卒研が佳境に入った時には、その実験室の隅に寝袋を置いて、何度も泊まりこみで実験をしたものです。
ごくまれに、ベルジャーのガラスが真空度が上がった時に割れる事があると聞かされていたので、最初の泊まり込み時は、ヒヤヒヤした事を今も覚えています。
卒業後、私は半導体ではない一般電子部品のエンジニアとなり、仕事上で真空ポンプを利用する事は、殆どありませんが、真空ポンプは卒研と結びついた忘れられない思い出です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です